こころの相談室コラム
心の中の矛盾・ジレンマ

私たちの心には、正反対の感情が同時に存在することがあります。
例えば“友だちから誘われている飲み会、行きたい気持ちもあるけど、結構人数もいるらしいし、ちょっと気が重いな。友達にも会いたいけど、いざ日にちが近づいてくると…”など、場面は少し違っても、こういった日々の出来事は意外に多いのではないでしょうか。

大人だけでなくお子さんの場合でも、こうした体験はあります。
“習い事、行かなきゃいけないとは思うし、行ったら友達もいて楽しいんだけど、なんか行きたくない。親は「行くの?行かないんならやめる?はっきり決めなさい」って言うけど、自分でもわからない…”と、傍から見たらもどかしく思う状況でも、子どもの心の中では起こっていることかもしれません。

日常生活でのこうした心の状態は、不登校になっている子どもに、学校へ行きたい気持ちと、行きたくない気持ちが両方ある時にも見られるものです。
また、私たちは何か新しい事に挑戦する時、“頑張りたい”という気持ちと、“大丈夫だろうか…”という不安を、同時に感じていたりします。
昇進や結婚、進学などのポジティブに見えるライフイベントが、実はストレスの原因になることがあるのもそのためです。

そして私たちは、こうした同時に存在する気持ちの、片方にしか気付いていない場合が多くあります。
その状態が長期化し、深刻になると、自分では気付かないうちに、対人関係や仕事・学校でのトラブル、心身の不調に繋がっていくこともあります。

カウンセリングの中では、こうした“どちらともいえない”という心の状態も、どちらかに決めずそのまま大切にしていきます。
もう一方の気持ちに気づき、少し立ち止まってみることで、自分の状況が整理されたり、本当に自分がしたいことが見えてくるかもしれません。
こちらの相談室でも、一緒に今の心の状態を考えるお手伝いができたらと思っています。

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