こころの相談室コラム
物語にふれる

ドラマやアニメ、映画や演劇、小説、漫画、絵本などを通して、私たちは日常生活のなかで様々な「物語」にふれることができます。

何気なく見始めたり読み始めたりしたはずなのに、いつの間にか物語の世界に引き込まれ、こころを動かされたという経験のある人は多いのではないでしょうか。そしてそんな物語の体験に長い間支えられてきたという人も、少なくないのではないかと思います。

登場人物に深く共感したり、思わぬ展開にうろたえ驚いたり、感動や悲しみのあまり涙を流したり、物語におけるこころの動きは現実世界に負けず劣らず、時には現実で体験する以上に豊かなものです。映画やドラマなどを定額で見られるサービスが人気を博している現代では、多くの人がいつでもどこでもふれられる「物語」を求めているのかもしれません。私たちは物語を通して、冒険したり、発見したり、癒しを得たりすることができます。あるいは、誰かのことや自分のことについてふと思いを巡らせたり、理解が深まったりすることもあるでしょう。

もちろん物語との向き合い方は、人によっても物語によっても様々です。現実のことで手いっぱいで、フィクションの世界に浸る余裕がないと感じる人もいるかもしれません。もともとあまり物語には馴染みがないという人もいるでしょう。

しかし考えてみると、私たちの人生もまた、それぞれに異なった物語であると言えるのではないでしょうか。
物語は、それだけで完結するものではなく、いつ、誰と、どのように味わうかによって、様々に姿を変えるものです。昔お気に入りだった物語に久しぶりにふれてみると、今だからこそ味わえる新たな発見があるかもしれません。

そして自分の人生の物語がどうも行き詰まっている気がする、見つめ直してみたい、というときには、こちらの相談室でもぜひお話を聞かせていただけたらと思っています。

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