私たちは日々、仕事に追われ、家事に追われ、時間の足りない生活を送っています。
時間との戦いが続く日々を送っていると、何事に対しても、「なるべく無駄がない方法でやりたい」「一番効率のよい方法を探そう」と、効率重視の日々になってしまいがちです。

そうなると、ついつい気持ちも苛立ってきて、身近な人と衝突をしたり、何もかも嫌になってしまったりして、どんどん物事が悪い方向に行ってしまうなんてことも経験があるのではないでしょうか。

日本には古くから、「急がば回れ」ということわざがあるように、あまりに急いてばかりいると大切なものを見失ってしまいがちです。
慌てずゆっくりと回り道をする方が意外とうまくいくこともあるものです。

例えば、子どもの頃の「道草」がその例かもしれません。
学校からは「道草をせずにまっすぐに家に帰りましょう」と言われたけれども、家までの道を、友達と一緒に道草をしながら帰るのが楽しかったという思い出がある方も実際多いのではないでしょうか。その道中で、見たこともない木の実を見つけたり、綺麗な石を探したり、飼い犬を触りに行ったり…と、そこには、かけがえのない体験がたくさんあったことでしょう。

これは、私たちの生き方についても同じではないでしょうか。
問題の解決を急いだり、失敗しないようにしすぎたりすればするほど、うまくいかなくてかえって遠回りになってしまうこともあるのかもしれません。
一見遠回りのようですが、ゆっくりと自分の趣味に没頭する時間を設けてみたり、何もせずにぼーっとする時を過ごしてみたり、ゆったりと食事を楽しんでみたりと、「道草」を食ってみることで、視点が開け何かがふわっと変わってくることもあるように思うのです。

悩みの解決にも、こうした一見すると遠回りに見えるようなことが、意外と意味を持ってくることが多いのかもしれません。解決を焦る気持ちが強くなっているときには、一見遠回りのようですが誰かに話をしてみることで、何かが変わってくることもあります。
そのようなときにお話をする場所のひとつとして、当相談室もぜひお気軽にご利用いただければ幸いです。